タグ別アーカイブ: 中辺路

中辺路町高原〈6〉天空の盆踊り

盆踊りの日、高原に早く到着したので、日没の景色をたっぷり楽しめました。雲海というほどではないかもしれませんが、うっすらと霧も出て山々を覆っていました。ちらほらと集まってきた人々は「久しぶりやねぇ、何年ぶりやろ?」と親しげに言葉を交わしていました。普段は高原にいない方々も、お盆なので帰省されているようでした。

里のみち 天空の里の物語 中辺路町高原〈6〉

中辺路町高原〈5〉虹の花食堂

高原の集落にオープンしたばかりの「虹の花食堂」さんを訪ねました。汗だくで取材をするだけではなくて、たまにはゆっくりランチでもしましょうよということで…。オーナーの東条亜希子さんはとても魅力的な方で、おいしい料理をいただいているうちに緊張がゆるゆるとほぐれました。(私とひろのさんは人見知りをするので、取材ではいつも緊張しています)

里のみち 天空の里の物語 中辺路町高原〈5〉

中辺路町高原〈4〉針地蔵さんのご詠歌

何度目かに高原を訪ねた時、鈴木トシ子さんと大江幸さんが、私たちのリクエストに応じてご詠歌を歌ってくださいました。「ご詠歌って、どんなんですか?」と尋ねると「あれ、知らんですか?」と驚いておられました。地域の女性たちは月に数回集まって、ご詠歌の練習をしているそうです。何ともやさしい文化だなぁと思います。

里のみち 天空の里の物語 中辺路町高原〈4〉

中辺路町兵生〈1〉廃村探訪…前編

兵生(ひょうぜ)の松若伝説に惹かれて、廃村を訪ねました。私は廃村や廃道、廃墟が好きなのですが、それはたぶん、子どもの時に観た「あなたの知らない世界」というテレビ番組の影響だと思われます。山中を歩いていると、四次元の迷路にはまって地図にない集落に紛れ込んでしまう。それは過去に存在した村でした。という不思議な体験の再現ドラマにやられて、私の妄想癖に拍車がかかった、と思っています。(おとなになってから、お酒の席で同じことを話す女性に出会ってびっくりしたことがありました)

里のみち 消えた里の物語 中辺路町兵生〈1〉

中辺路町高原〈3〉霧の郷たかはら

高原の取材で、泊めていただいた「霧の郷たかはら」さんの記事です。オーナーの小竹さんにも、スタッフの森本さんにもたいへんお世話になりました。宿からの夕景も素晴らしいですが、夜明けの雲海も宿泊客のお楽しみ。私は前夜にいただいたおいしいワインのせいで、うっかり寝過ごして悔しい思いをしましたが。

里のみち 天空の里の物語 中辺路町高原〈3〉

旧国道311号線の逢坂隧道

西側の入り口

西側の入り口

福定の大銀杏から近露方面に旧国道311号線を行く。
曲がりくねった坂道を上っていくと古びたトンネルがあり、名を逢坂(おおさか)隧道という。(熊野古道はこの上を通っている)

高さ4メートル、幅4.5メートル、延長は550メートル。
西側の入り口には「対向できない」と注意を喚起する標識。
…来るのだろうか、対向車。

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中辺路町誌によると、福定から逢坂峠を越える車道が開通したのは、昭和3年のこと。
6人乗りのバスも峠を越えたが、木炭バスでは馬力がなくて、急坂では乗客が降りて押した。
昭和15年、逢坂峠の100メートルほど下にトンネルを掘る計画が持ち上がる。
翌16年に工事が始まって、5年後の昭和20年に逢坂隧道が完成した。
昼夜の別なく続けられた工事には、200名ほどの朝鮮人労働者も従事していたそうだ。落盤などの事故で負傷者はあったが、ここでの死者はなかった、と…。

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音を録りながら、トンネルの中を歩いてみた。
ゴツゴツした壁面はツルハシで掘ったあと?
ひんやりした風が東の入り口から西の入り口へと吹き抜けていく。
照明がないので奥に進むとまっくら闇で、足もとの窪みには水たまり。
天井からは水滴が落ち、側溝に水が湧いているような音も時おり聴こえた。

東側の入り口

東側の入り口

当時、隧道工事の責任者は鳥取県出身の近藤愛次郎さんという方で、各地のトンネルを手がけたベテランだった。近藤さんは隧道の完成後、この地に永住することを決意し、西の入り口近くに家を建てて住んでいたそうだ。

「昭和四十年(一九六五年)に八十才で亡くなりましたが、だれよりも強く逢坂トンネルに愛着を持った人でしたので、分骨してトンネルの上の方に埋葬されています」

冊子『ふるさと近野 第1集』(昭和53年 中辺路町立近野小学校発行)に、そう書かれていた。

 

もののけ大銀杏 05.16

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前回の撮影から34日後の5月16日。晴れ。
国道311号線、カーブのポイントに立つ。
大銀杏を探すが一瞬で見分けがつかない。あれ?
黄緑色だった銀杏の葉が濃い緑になり、山の色と同化してカメレオン状態。

先月の写真と比較すると、山が一気に変化している様子もよくわかる。
新緑まっさかりで、木々がもんもん盛り上がっているし、土色だった斜面も一面の緑だ。

細い山道を車でのぼって、宝泉寺へ。
近くで見上げると、葉はまだ小さくて若々しい。

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眼下には国道311号線。
峠を走るトラックの音が、山の下の方から響いてくる。
小鳥の鳴き声、風の音、桶に流れ込む山の水。
近ごろ、福定の大銀杏が聴いているのはこんな音。

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大銀杏の記事は以下にもあります。

もののけ大銀杏 03.21
もののけ大銀杏 04.12
もののけ大銀杏 11.28 本番
もののけ大銀杏 12.20
 

もののけ大銀杏 04.12

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前回の撮影から22日後の4月12日、晴れ。

311号線の峠道でハンドルを切りながら思わず声をあげた。
全体を黄緑に覆われて、もわもわと存在を主張し始めている。さすが。

国道をはずれて宝泉寺へ。間近で見ると、一枚一枚の葉っぱはまだ小さくて、でも、きちんと銀杏の葉の形。
前は枯れ木にぷちっと小さく突起が出ているだけだったのに。
この葉っぱが大きくなればなるほどに、一回り、二回りと全体が膨張していく予定。

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大銀杏の記事は以下にもあります。

もののけ大銀杏 03.21
もののけ大銀杏 05.16
もののけ大銀杏 11.28 本番
もののけ大銀杏 12.20

中辺路町高原〈1〉山上の集落

古道歩きの途中で高原の里を通り抜けた時、美しい山里の風景に感激しました。その後、何度か足を運んでいますが、山上の風景は季節ごとに趣きを変えるので見飽きることがありません。休憩所では時おり、手作りのよもぎ餅やみかん餅が売られていて、地域の方の手作りだとか。とっても大きなお餅で、1個食べたらお腹がいっぱい。素朴でおいしい高原の名物です。

里のみち 天空の里の物語 中辺路町高原〈1〉