熊野本宮大社 湯登神事〈2〉

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東光寺の裏山、湯の峯王子に到着して父親の肩から下ろされると、稚児たちは再び超不機嫌。
おかげで、こういう音も録れたのだが。 yunobori9-e

ここで執り行われる神事は、八撥神事(やさばきしんじ)と呼ばれる稚児舞楽で、神さまを稚児に憑依させる儀式だという。
子どもを立たせ、父親が後ろから子どもの体を体をくるくるくるとまわす。
その時、太鼓を鳴らしながら、氏子総代が掛け声をかける。
「さがりやそー」で左に3回。
「あがりやそー」で右に3回。
再び「さがりやそー」で左に3回で全9回。    Edited-yasabaki2

その後、一行は熊野古道・大日越(3.5キロの山道)を、歩いて本宮大社に戻る。子どもを肩車したままで、ぞろぞろと山中へ。
父親はみな若かったが、それでも相当キツイはず。
子どもたちがおとなになった時、自分を肩車して峠を越えた父親をどんなふうに思うだろうか、と思いを巡らせてほのぼの。

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山頂を越え、下りの途中にある月ヶ瀬神社で再度、八撥神事を執り行い、大斎原(おおゆのはら・熊野本宮大社の旧社地)にていったん解散。
夕刻には宵宮行列があるので、それまでしばらく休憩となる。大斎原でぼけっと過ごす。今思い返しても、とてもよい時間だった。

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投稿日:2013年4月20日
カテゴリー:みちとおと取材記
文:北浦雅子