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2013年7月16日

中辺路町高原〈5〉虹の花食堂

里のみち

熊野の道は里を結びながら、山中を迷路のようにめぐっています。古老たちの語りや歌、伝説に導かれながら行く里の道。訪ねたのは大瀬(おおぜ)・高原(たかはら)の集落と、兵生(ひょうぜ)の廃村です。

その日、私とひろのさんがとっても楽しみにしていたのが、虹の花(このはな)食堂さんでのランチ。高原(たかはら)にお店ができたと聞いたので、取材日に合わせて予約ずみ。
いつもはコンビニのパンをかじりながら移動するため、異例でもあり、かなり嬉しい。

地図を見ながら、ひろのさんと向かう。
霧の里の休憩所から栖雲寺に向かっていくと、右手にあるはずなのだが、右には山肌があるだけ。行ったり戻ったり廻ったりしているうちに、山肌にぐいっと食い込む急な坂道と看板を発見した。……きゅうすぎるんですけど?

空につながってそうな急な坂道

空につながってそうな急な坂道

坂の下からお店に電話をすると、「四駆ですか?」と若い女性の爽やかな声。「いえ、ちがうんです」。四駆だったらガンガン登れるらしいのだが残念。
坂の入り口に車をとめて歩いて登る。(すぐ着きます)
登り切ったら、目のぱっちりした女性が笑顔で出迎えてくれた。オーナーの東条亜希子さん。
坂の上に開けた土地には、母屋と離れがあって、虹の花食堂さんは離れで営業されている。

「ここで店やってるのっ?って外から見たらびっくりされるんですけど…」と、にっこりしながらドアを開けてくれた。

虹の花食堂さん

虹の花食堂さん

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とても可愛らしくて、絵本の中に出てきそう。「来てよかったね〜」とひろのさんも私もたいそう喜ぶ。滅多にテンションがあがらないし、あがってもわかりにくい我々なので、かなり異例かも。

用意してくださったランチもデザートも、きちんと、思想のあるお料理だった。
トウモロコシとニンジン、タマネギ、豆乳の冷たいスープ、モチキビとじゃがいもと豆乳のコロッケ、祝島のひじきの甘酢あえ、など、どれもとてもおいしくて。「来てよかったね」としみじみ繰り返しながらいただいた。

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食事のあと、少しだけ東条さんと話す。
聞けば、今年の5月にフリージャーナリストのパートナーと二人で、高原に移住してこられたそうだ。
「高原の集落を歩くたびに、風景にみとれて感動するんです」とのこと。
共感しながら話をしていると、初対面なのに何となく別れがたくなってしまった。
「よかったらこのあと、一緒に取材に行かれませんか」と誘ってみたら、「じゃ、行きます」と即答してくださって、また喜ぶ。

という流れで3人で集会所に行って、実は針地蔵さんのご詠歌も一緒に聴いたのでした。うふふ。

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文:北浦雅子