ガシランボ 高原合成
2013年10月24日

中辺路町高原〈7〉秋の棚田とガシランボ

里のみち

熊野の道は里を結びながら、山中を迷路のようにめぐっています。古老たちの語りや歌、伝説に導かれながら行く里の道。訪ねたのは大瀬(おおぜ)・高原(たかはら)の集落と、兵生(ひょうぜ)の廃村です。

高原に通うようになってから、季節ごとの棚田の風景が気になって仕方がない。夏、青々とした稲が日差しを浴びて揺れているのも良かったが、黄金色に染まる稲穂も見ておきたい。
そう思って山を登っていくと……。

棚田の風景

来てよかった。

こぢんまりした棚田だが、昔はもっと広かっと地元の方に聞いたことがある。だんだんと田んぼをする人が少なくなって、現在の面積になったのだとか。

しばらくして別の日に行くと、今度は稲刈りの真っ最中。

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こちらは天日干し。

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棚田のお米は味はよいのだが、機械を入れられずに手作業なので手間がかかるし、そのわりに収穫量が少なくて非効率的なのだという。高原の皆さんも「この景観を守りたい」という想いで耕作を続けておられるが、住民のほとんどが後期高齢者。日本各地で棚田の保全が問題になっている昨今、ここ高原でも地域の努力だけでは難しくなってきているようで悩ましい。

あれこれ考えながら集落の中を歩いて、熊野高原神社へ。
社殿裏の森へ入っていくと、巨木の枝が不意にがさっと揺れた。もしかして、ガシランボ?

熊野の伝説「ガシランボ」はこちら

文:北浦雅子